本文へスキップ

じんじ屋エールは自由設計が基本コンセプト。

じんじ屋エール

since1995

「帰ってきたシャチョーさんとカチョーさん」シリーズ 21-30

======================================================================
 (^◇^) シャチョーさん
 ( ^_^) カチョーさん 
======================================================================

−目次−

第21話 研修情報につき非掲載      −
第22話 人事制度ってなぜ必要なの?   表ワザ    ★★★★ 一本
第23話 評価段階と評価者エラー     表ワザ    ★★☆☆ 有効
第24話 賃金表は公開すべきか      表ワザ    ★☆☆☆ 効果
第25話 役職の任期その1        裏ワザ    ★★☆☆ 有効
第26話 役職の任期その2        裏ワザ    ★★☆☆ 有効
第27話 前の評価を参考にする?     寝ワザ    −
第28話 昇給額の格差          表ワザ    ★★★☆ ワザあり
第29話 優秀な社員の給料は安い     表ワザ    ★★☆☆ 有効
第30話 全員SかAの評価って・・・   表ワザ    ★☆☆☆ 効果


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃人事制度ってなぜ必要なの?
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 専門家は、企業の人事制度導入について、受けた仕事をできるだけ工数をか
 けずに処理しようと考えます。もちろん自分も例外ではありません。
 それは正しい考え方ですが顧客無視では困りますね。 

 本日のテーマは「初めて人事制度の導入を考えている企業」の立場にたって
 書いてみました。

 (^◇^)人事制度ってなぜ必要なんだろ?

 ( ^_^)はい、それは社員育成プログラムのうんだらかんだら・・・。

 (^◇^)難しいことを言うなっ!

 ( ^_^)だって、このまえ業界の組合長がそう言ってましたから。

 (^◇^)あいつの会社、専門家に頼んで立派な仕組みを導入したと自慢げに話
    してたからな。

 ( ^_^)[シャチョーと性格がよく似てるんだよね]
    そうなんスか。
    あまり好きにはなれないなぁ、そーいうヒト。

 (^◇^)ああ、口から出てくるのは自慢と悪口ばかりだ。
    ゴチャゴチャ難しいこと言わずに、ただ「社員の給料をちゃんと決め
    てやりたいから」とか、それでいいんじゃねーの。

 ( ^_^)それもありですね。
    その考え方は、単純で分りやすいです。

 (^◇^)けっきょく、その企業のやり方、労働環境などが社員を変えるわけだ。
    そう考えると、人事制度は(いくら見かけが立派でも)形だけ作った
    んじゃあダメだってことだな。

 ( ^_^)その企業に必要とする人事制度があるはずです。

 (^◇^)それを皆で一緒に考えて作らねえとな。

 ( ^_^)そうですよ。
    社長の考えだけで作った制度では、チョットどうかなーって考えてし
    まいますよね。

 (^◇^)[オレはそんなことしねーよ]
    低料金で専門家に頼んだ場合もあぶねーぞ。

 ( ^_^)なぜですか?

 (^◇^)専門家だって余程のシガラミを抱えてないかぎり、利益のでねえ仕事
    なんてしねーだろ。

 ( ^_^)ごもっとも。

 (^◇^)すると、専門家はこう考える。
    「最初から設計方法を決めてかからなきゃあ大赤字だ」
    「体裁さえ整ってれば、ようはカッコつけばいいだろ」

 ( ^_^)いやです、そんなの。
    ぜんぜん顧客志向ではありませんよ。

 (^◇^)安くてまともなコトができねーなら、最初から受けなきゃいいんだよ。

 ( ^_^)それって失礼な話ですよね。頼むほうも頼むほうだけど。
    たしかに低料金で仕事を受けてもらえれば企業は喜びます。
    でもワガママを言わせてもらえば料金相応(?)の仕事では困るんです。
    
 (^◇^)専門家のいいところは、人事制度のさまざまな内容を知ってるだけで
    なく、企業を第3者的なスタンスで診られることだ。
    専門家に頼む場合は、少なくとも自社の業務内容、現場状況を調査し
    てもらわないと意味ねえよ。

 ( ^_^)こういう制度を作りましょう、とか言われて、いきなり設計に入るよ
    うなやり方では失敗しそうですよね。

 (^◇^)100%とはいわねーけどな。
    普通はろくなもんじゃねえ。

 ( ^_^)ところで、社長が自ら作る場合は、第3者的な目を持たないと難しい
    ように思いますが。

 (^◇^)ああ、そのために調査・診断だけは専門家に頼んだり、社員の意見を
    吸い上げたりするのも1つの方法だな。
    オレもたまにはイイコト言うだろっ。


 最後に専門家の立場で考えてみましょう。
 やるべき事を100%やって、その上で全体工数を半分以下にできれば受託金額
 を下げても利益が残りますね。そのためには、スキルアップと専門ツールの
 活用しかありません。

======================================================================
 本日の技:表ワザ
   星数:★★★★(一本)

      企業を診る専門家の目は「厳しく優しい」のです
      コンサルタント・アイは、コンサルタント・愛なのです

======================================================================


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃評価段階と評価者エラー
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 5段階(たとえばSABCD)で評価する場合、○○君がもしC評価だった
 ら、その理由を説明できなければなりません。これは総合評価だけでなく、
 評価要素別に説明できなければなりません。

 もし上手く説明ができないならば、その企業にとって5段階評価ではムリが
 あるのかもしれません。もしムリと感じたら(評価要素別の)4段階評価を
 検討してみてはいかがでしょうか。

 それと、補足ですが、○○君のレベルアップのためには、たんにC評価であ
 る理由を説明するだけではダメです。どうしたらB評価さらにはA評価とな
 るのか、その方策を示すことが必要です。

 やり方はイロイロあると思いますが「具体的」でないといけませんね。
 たとえば、コンピテンシーの考え方から「優秀な社員がどのような行動をと
 っているのか示す」ことも具体性があって良いと思います。

 さて、前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に入りましょう。

 (^◇^)評価段階は、ふつう5段階だよな。SABCDとか。
     
 ( ^_^)5段階が多いですね。
    中学校の通信簿みたいで馴染みもあって分りやすいからでしょう。

 (^◇^)でもさぁ、金額・件数・率みたいな数字で評価できるものなら5段階
    でも容易に評価できるけど、普段の行動を評価するのは難しいよな。

 ( ^_^)評価の目安をザックリ表すとこんな感じですね。

    いいねー、サイコー!!
    良くやってるね
    ふつうかな
    ちょっとダメじゃん
    ぜんぜんダメ、サイテー!!

 (^◇^)この中で「ふつうかな」ってのがくせ者だ。

 ( ^_^)そうなんですよ。
    評価者の中には「ふつうかな」ばかり選んでしまう人もいますし、逆
    に「ふつうかな」をあまり付けたがらない人もいます。

 (^◇^)判断が人によって違うから難しいんだよな。
    評価段階を4段階にしたらどうなる?

 ( ^_^)評価段階を「偶数」にするということは『普通』という評価が存在し
    なくなることですね。まあ普通にやってるな、という状態でも「良く
    やってるね」か「ちょっとダメじゃん」かどちらかに決めなければな
    りません。

 (^◇^)すると、どうなる?

 ( ^_^)評価者エラーで最も多いと推測する「中心化傾向」は減るでしょうね。
    この場合に起こりうる評価者エラーは「寛大化傾向」です。

 (^◇^)「良くやってるね」か「ちょっとダメじゃん」に決めるとき、ほとん
    ど「良くやってるね」にしちまう懸念があるってことか。

 ( ^_^)はい。
    だから、評価要素の着眼点として「おおむね妥協できるんだけどー何
    かチョット足りない」みたいな具体的な記載が必要になってくるでし
    ょう。

 (^◇^)[ちっとも具体的ではないと思うが]
    で、4段階はどうなんだよっ!?

 ( ^_^)検討する価値はあると思いますよ。

 (^◇^)でも、4段階評価だと、不満をこぼす社員が大勢でてきそうだな。
    いままで「ふつうかな」だった社員の半分は「ちょっとダメじゃん」
    になっちまうわけだろ?

 ( ^_^)それは大丈夫です。
    評価要素別に4段階で評価しても、総合評価は5段階にできます。
    
 (^◇^)へ〜、そうなの。
    それじゃあ7段階でもいいのかな?

 ( ^_^)それもオッケーです。


 【評価段階の設定例】ここをクリック

  この例では、評価シートを管理者用1つと一般社員用4つに分けています
  一般社員用は、各評価要素を4段階、総合評価を5段階に設定しています

  ⇒調整作業や確定処理は『総合評価(合計)の評価段階』で行います!!
   ※調整作業の解説の中に「要素別と合計の評価段階」がでてきます
   → ここをクリック

======================================================================
 本日の技:有効
   星数:★★☆☆

      5段階評価がすべてではありません。
      そう考えれば、やり方はイロイロとありそうですね。

======================================================================

 評価制度は、経営管理部門や人事部門だけではコントロールできない難しさ
 があります。評価者の数だけ、いろいろな人が介在するから難しいのです。

 それを解決するには設計段階だけではムリで、運用していく中で「評価者の
 教育」「評価結果の調整」「評価結果のフィードバック」などを行い、評価
 される側から見て『公平感』を感じる仕組みにしていくことが大切ですね。


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃賃金表は公開すべきか
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (^◇^)賃金表は、社員に公開しなきゃあ意味ねーよな。
     
 ( ^_^)あったり前ですよ。
    社員にとって賃金は重大な関心事ですから、そこはオープンにしてい
    ただかないと。

 (^◇^)そうだよなー・・・。
     
 ( ^_^)なんか引っかかる点でも?

 (^◇^)等級制度で「標準昇格モデル」ってのを定めたよな。
     
 ( ^_^)はい、我が社の『能力給表』は等級制度に基づく設計をしていますか
    ら、とーぜん標準昇格モデルが関係してきます。

    それが何か?

 (^◇^)標準昇格モデルは公開したくねーんだよ。
     
 ( ^_^)[とりあえず驚いたふりをしておこう]
    えーーーっ、どうしてですかー?

 (^◇^)だってさ、標準昇格モデルよりも昇格が遅れると、ガーガーうるせー
    こと言うヤツが出てくるだろ。
     
 ( ^_^)[そこには蓋をしておきたいわけね]
    標準昇格モデルは、賃金表を設計するための、いわば理論モデルです
    からね。我が社のように中途採用者が多いと、標準昇格モデルなみに
    昇格できる人は少ないでしょうね。

    【標準昇格モデル】
     下記ページの「基本構想(後編)」をご参照ください。
     → ここをクリック

 (^◇^)そこなんだよ。
    だから『能力給表』は非公開にしたいと思う。
    
 ( ^_^)それはマズイっしょ。
    公開しなくては制度化した意味がありませんよ。

    ようするに、各等級の何号が標準昇格に該当するか分らなければいい
    のですよね。私、名案を思いつきました。

 (^◇^)なんだ、言ってみろ!
     
 ( ^_^)我が社の『能力給』は、原則として、昇格したときに上位等級の初号
    に格付けとなります。昇格昇給額をそっくり上乗せするわけではあり
    ません。

 (^◇^)そうだ。
    昇格が遅れると、昇格昇給額が目減りするという素晴らしい仕組みを
    取り入れたからな。昇格が早いヤツは昇格昇給額が余計にもらえるか
    らツーペイなのだ。    
     
 ( ^_^)[セコイだけだろ]
    その仕組みなら、設計上の昇格昇給額だけ非公開にすることもできま
    すよ。

 (^◇^)なるほど!
    社員は○等級○号でいくらになるか分ればいいんだから、設計上の昇
    格昇給額なんて知らなくてもいいわけだ。

    これなら『能力給表』をオープンにできるから、最短昇格モデルと最
    長昇格モデルの説明もやりやすいな。

 ( ^_^)ただし、私の名案には、設計上で1つだけ考慮しなければならない点
    があります。

 (^◇^)設計上で?

 ( ^_^)はい、設計時の昇格昇給額はあまり丸めない方がいいと思います。

 (^◇^)なぜだ、ぜんぜん意味わかんねーよ。

 ( ^_^)逆算を難しくするための工夫です。

    頭のいい社員は、新賃金導入時の賃金表は、たぶん金額が丸められて
    いるだろうと考えるでしょう。とくに昇格昇給額は1000円単位で丸め
    ている可能性を疑います。

    だから、級内昇給ピッチに金額の単位を合わせておくとか。

    ○等級への昇格昇給額 
    12,000円 ⇒ 11,980円(級内昇給ピッチが10円単位の場合)

 (^◇^)キミも悪がしこいねぇ。

 ( ^_^)[シャチョーに言われたくねーよ]

======================================================================
 本日の技:裏ワザ
   星数:★☆☆☆(効果)

======================================================================

 賃金表を公開できないようでは困りますから、このような悪巧みも頭から否
 定はできないように思います。

 もちろん、標準昇格モデルの意味を社員が理解すれば済むことですが、トラ
 ブルの芽は未然に摘んでおきたいとお考えの企業もありますから。

 じんじ屋エールでは、本日のようなケースも想定して、賃金表を表示する際
 に昇格昇給額を非表示にできるようにしてるのです。悪賢いですかぁ^-^;


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃役職の任期その1
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 役職の任期を定める方法は、大きく分けて2つあります。
 それは、「役職定年制」と「役職任期制」です。

 どちらも、組織を活性化させるために行うものですが、社員の理解を得ると
 いう部分で難しい面もあり、導入時期は組織見直しのときや定年延長を行う
 時期に併せるなどの配慮も必要になってきます。

 とくに成果主義を導入する企業では、降格制度と併せてこのような仕組みも
 必ず検討課題にあがってきます。

 本日は、役職定年制についてお話しましょう。


 (^◇^)役職定年制とは何だ?
    一般社員も役職者も「定年年齢」は同じにしてるはずだぞ。
     
 ( ^_^)社長が考えいてる「定年」とは、ちょっと意味合いが違うんですよ。
    役職定年制は、会社が定める一定年齢に達したときに役職を離脱し、
    後進に道を譲る制度です。

 (^◇^)降格とどう違うんだ。
   
 ( ^_^)降格は、等級が下がることですよね。
    評価結果が極めて悪かったり、就業規則の懲戒に該当する場合などに
    よって降格が決定されます。

    役職についている人は、降格と同時にその役職を解かれることがあり
    ますね。

 (^◇^)同じじゃねーか!

 ( ^_^)ぜんぜん違いますよー。
    役職定年制は、評価や懲戒なんて関係ナシに制度として役職を解かれ
    るのですから。

 (^◇^)そりゃあ寂しいな。

 ( ^_^)別に寂しいとか、そういう問題ではないと思うんですけど。
    会社の仕組みとして定めるものですから、社員はそれに従うだけです。

    多くは管理職を対象として定めるみたいです。

 (^◇^)我が社でいえば「部長」と「課長」だな。

 ( ^_^)はい。
    役職定年年齢は、部長は57歳、課長は55歳というように定めます。

    中には監督職も含めている企業もあります。・・・係長は53歳とか

 (^◇^)てぇことは、55歳まで課長のままだと、その後は平社員かぁ。
    キミも可哀想だねぇ。

 ( ^_^)[イヤミしか言えんのか、この人は]
    ふつうは平社員になっても同格の地位を与えますけどね。
    等級制度の中では、同じ等級に格付けるケースが多いようです。

 (^◇^)ふ〜ん。
    職責部分の手当が減るくらいかな。

 ( ^_^)いや、場合によれば賞与や退職金も変ってきます。
    例えば、賞与の基礎額に役職手当を加算している場合や、ポイント制
    の退職金で加算ポイントが異なる場合がありますね。
    
 (^◇^)なるほど。
    役職定年制を導入するにも、いろいろと検討課題がでてきそうだな。

 ( ^_^)まあ、我が社のように社員数の少ない中小企業では、役職定年を迎え
    た人の代わりになる人が存在せず、役職定年制を厳密に運用すること
    が難しいケースが発生することがあります。

    役職任期制のほうが現実的かもしれませんね。

 (^◇^)役職任期制?

 ( ^_^)それは次回やりましょう。


----------------------------------------------------------------------

 このような仕組みは、とーぜん運用マニュアルに記載すべき内容です。

 マニュアルの作成は『人事制度運用マニュアル作成ツール』をご活用くださ
 い。制度設計を進めるうえでも有効です。

======================================================================
 本日の技:裏ワザ
   星数:★★☆☆(有効)

======================================================================


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃役職の任期その2
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 役職の任期を定める方法は、大きく分けて2つあります。
 それは、「役職定年制」と「役職任期制」です。

 どちらも、組織を活性化させるために行うものですが、社員の理解を得ると
 いう部分で難しい面もあり、導入時期は組織見直しのときや定年延長を行う
 時期に併せるなどの配慮も必要になってきます。

 とくに成果主義を導入する企業では、降格制度と併せてこのような仕組みも
 必ず検討課題にあがってきます。

 本日は、役職任期制についてお話しましょう。


 (^◇^)役職任期制とは何だ?
         
 ( ^_^)会社が定める各役職の任期が到来したときに役職を離脱する制度です。
    役職に就く機会提供が増えますから「えっ、あの人にこんな能力が」
    というような収穫も得られたりして。

 (^◇^)任期制って人気あんのか?

 ( ^_^)[釣られたフリをしておこう]
    若手社員からは大人気でしたよー。

 (^◇^)ふ〜ん。
    で、人気はどれくらいの期間持続するんだ?
   
 ( ^_^)1〜2年が多いですね。
    部課長は2年、係長は1年みたいに定めます。
    中には半年とか3ヶ月という例もありますよ。

 (^◇^)ずいぶん短けーな。
    そんなんで組織運営ができるのかチョット心配だぞ。

 ( ^_^)引き続き同じ役職に任命することもできる制度だから大丈夫ですよ。
    ようするに、役職者は次の昇進まで変わらないという常識は通用しな
    い、そんな緊張感を持たせる仕組みなのです。

 (^◇^)そっか、そっか。
   
 ( ^_^)再度の任命は、評価結果を中心とする幾つかの判断材料をもとに決定
    します。該当期間の実績はもとより「適性」が重視されますね。

 (^◇^)役職定年制とは、似て非なるものだな。

 ( ^_^)そうですね。
    コンサルタント・エックスさんが支援した企業では、工場勤務の中堅
    社員に持ちまわりで小集団グループ長を任せる仕組みを取り入れたそ
    うですよ。

 (^◇^)それってどんな意味があるんだ?

 ( ^_^)仕事内容が比較的単純なので、社員にやりがいを持たせることを第1
    の目的としたようです。

 (^◇^)それと、将来の管理監督者としての適性を見るためにも有効だよな。
    そうだろ?

 ( ^_^)はい、コンサルタント・エックスさんもそのようなコトを言っていま
    した。

 (^◇^)処遇面はどうなっているんだろう。

 ( ^_^)原則として、格付(等級)の変更はありませんから、役職手当が付いた
    り付かなかったりするくらいでしょうか。

 (^◇^)賞与や退職金は?

 ( ^_^)あっ、それを忘れていました。
    賞与や退職金も算定方法によっては、その期間は変わるかもしれませ
    んね。

----------------------------------------------------------------------

 このような仕組みは、とーぜん運用マニュアルに記載すべき内容です。

 マニュアルの作成は『人事制度運用マニュアル作成ツール』をご活用くださ
 い。運用を知ることは制度設計にも不可欠です。


======================================================================
 本日の技:裏ワザ
   星数:★★☆☆(有効)

======================================================================


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃前の評価を参考にする?
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (^◇^)最近気づいたのだが、評価者の中に「前回評価」を参考にして評価し
    てるヤツがいるようだな。
         
 ( ^_^)えっ、そんな人いるんですか?

 (^◇^)はっきりは分かんねーけどよ。
    
 ( ^_^)どうしてそうお感じになられたのですか?

 (^◇^)見ちゃったんだよ。
    申請すれば誰でも使えるプライベートルームを。
         
 ( ^_^)それって社長室の隣にある個別面接のときなどに使う部屋ですね。
    私もこの部屋を評価するときによく利用しています。
    中には、密会に利用している社員もいるという噂がありますね。

    あれっ?
    なぜ社長は部屋の中の様子が見えるのですか?

 (^◇^)実はな、内緒の話だが覗き穴があったりしてーーー。

 ( ^_^)[それって犯罪だろっ]
    で、該当しそうな人物は誰だったのですか?

 (^◇^)そんなの言えねーよ。
    長巻部長と腹立課長だけどよ。

 ( ^_^)[言ってるじゃねーか]
    ああ、(私の)隣の部の2人ですね。
  
 (^◇^)長巻部長は、こんなヒトリゴトを言ってたぞ。
    「腹立課長の業務管理力はどうみてもCかDだな。前回の評価結果は
    どっうだったかな? あれ、Bが付いてるぞ。これ、オレが付けたん
    だよな。アイツはすぐ文句いうから今回もBにしておこう」

    腹立課長は、こんなことをブツブツと呟いていた。
    「瓜上君のコスト意識はCだな。あれ?まてよ。前回の評価はSが付
    いてるぞ。それじゃあAくらいにしておかないと可哀想だよなぁ」

 ( ^_^)[盗聴器も付けてるのか。ぜったい犯罪だ]
    おいお〜い、
    そんなんでいいのですかい!?

 (^◇^)そこでキミにその原因を調査して欲しい。
    よっ名探偵、よろしくねっ。
    
 ( ^_^)[それで煽ててるつもりかぁ]
    まあ、シャチョーの頼みではいやとは言えませんね。


    --------------------- そして調査の結果は ---------------------


 ( ^_^)シャチョー、大変なことがわかりましたよ。 
    人事評価をするときに、人事部門が評価者(評価をする人)に被評価
    者(評価される人)の前回評価の明細を配っていたのです。

 (^◇^)そんな話は聞いてねーぞ。

 ( ^_^)評価者から希望があったときだけ配っていたそうです。

 (^◇^)そんなことしたら「今回の評価」をするときに「前回の評価」を参考
    にしちまうヤツが出てきても不思議じゃねーな。

 ( ^_^)新しく配属された管理者が、前の管理者の評価結果を参考にしたいと
    言い出したのがきっかけだそうです。

 (^◇^)それもダメだろ。
    自分で観察して、その期の事実に基づいた評価をしなきゃあ公平な評
    価にはならねーぞ。

 ( ^_^)そうですよね。
    売上や利益など、数字で判断する評価項目は「前回の評価」を参考に
    することはありませんが、成果のプロセスを評価する項目などは大い
    にあり得ることだと思います。

 (^◇^)解決策はどうする?

 ( ^_^)人事部門が「前回の評価」を配らないことで、ある程度は解決できる
    でしょう。あとは個々の評価者の問題になりますから難しいですね。
    私は、次の3つがポイントだと思いますよ。

    ・人事制度運用マニュアルを整備する(評価者の心構え等も掲載する)
    ・評価者訓練を実施する(手順等のほかに気づきを与える)
    ・評価者エラーを探る(客観的データで診る1)
    ・評価者エラーを探る(客観的データで診る2)


 ====================================================================
 本日の技:寝ワザ
   星数:−

   ※本メルマガでは、技の紹介がないときに「寝ワザ」としています。

   ただし、最後の解決策については、重要なワザが含まれていますよ。

 ====================================================================


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃昇給額の格差
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (^◇^)賃金表を変えずに昇給格差を広げることって出来るのかなぁ。
         
 ( ^_^)そんなの簡単ですよ。

 (^◇^)言ったなっ、いま簡単って言ったよな。
    
 ( ^_^)言いましたけど、何か?

 (^◇^)[なんかムカつく]
    それじゃあ具体的に説明してみろ。
    
 ( ^_^)では、段階号俸表で説明しますね。

 (^◇^)段階号俸表ってのは、評価によって昇給額が違うんだよな。
    その昇給額が毎年累積されていくタイプの賃金表だ。
    
 ( ^_^)そうです。
    5段階評価(SABCD)で、B評価の昇号数を5としましょう。
    ----------------------
     S A B C D
    ----------------------
     7 6 5 4 3
    ----------------------

 (^◇^)D評価だとB評価より2号少ねーんだな。
    
 ( ^_^)はい、S評価はB評価より2号多いんです。
    ちょっと差を広げてみましょう。
    ----------------------
     S A B C D
    ----------------------
     9 7 5 3 1
    ----------------------

 (^◇^)おおぉ、D評価だとB評価より4号も少なくなったぞ。
    
 ( ^_^)[多くなった方を言えよー]
    はいはい、S評価はB評価より4号も多くなっていますね。
    賃金表はそのままに昇給額の差が2倍になりました。

 (^◇^)おもしれーな。
    もっと差をつけてみようぜ!
    
 ( ^_^)[遊びじゃないっつーの]
    それでは、評価がすごく良かった人のために、こんなのはいかが。
    ----------------------
     S A B C D
    ----------------------
     10 7 5 3 0
    ----------------------

 (^◇^)どっひゃぁ、D評価がB評価より5号も少なくなったぞ。
    
 ( ^_^)[だから〜、多くなった方を言えっつってんだろー]
    これなら昇給基準を見直すだけで、賃金表は変えずに済みますよ。

    それと、評価が「普通」のときに昇給ゼロにする裏ワザもあります。
    → ここをクリック

 (^◇^)こういうのはオレだーい好き。

 ( ^_^)[そう言うと思ったよ]
    いままでのは段階号俸表で説明しましたが、複数賃率表(評価洗替型)
    でも同じようことができます。

 (^◇^)ほう、どうやるんだ?
    
 ( ^_^)評価段階間のピッチを変更すればいいんです。

 (^◇^)それって賃金表が変わるんじゃねーの?
    
 ( ^_^)あっ、言われてみれば。。。


 じんじ屋エールでこのような基準変更をする場合、
 賃金体系シリーズの「賃金設計追加変更」で行います。
 ●段階号俸表(等級別2)
 ●複数賃率表(等級別3)

 ====================================================================
 本日の技:表ワザ
   星数:★★★☆(ワザあり)

 ====================================================================

 基本給そのものが業績によって大きく変動するタイプは、賃金水準の高い企
 業でないと難しいでしょう。賞与を支給している企業では、賞与を変動型と
 して、基本給の昇給は業務パフォーマンスに対する動機づけ程度に考えた方
 が納得性が高い仕組みができると思いますよ。


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃優秀な社員の給料は安い
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 (^◇^)仕事ができねえ社員は、残業が多いから給料が高いのってどーよ。
         
 ( ^_^)自分がやり残した仕事のために残業して、残業手当の分だけ給料が高
    くなっちゃうのは問題ですよね。やはり人事評価が良い社員のほうが
    給料もそれなりに高くないと。

 (^◇^)どうにかしねーとな。
    でも、あまり昇給で差をつけると制度がおかしくなりそうだし。
         
 ( ^_^)そうですね。
    毎年の昇給で大きな差をつけるためには、基本給に個人業績によって
    変動する賃金項目を組み込む必要がありそうです。それよりも、昇格
    を早めたほうが良いと思いますよ。

 (^◇^)でもなぁ、昇格を待っていたら、その間は問題解決できねーぞ。
    それに、できればその年でツジツマを合わせたいよなぁ。
         
 ( ^_^)あっ、いいこと思いつきました。
    賞与で差をつけたらいかがですか!?

 (^◇^)ほう、賞与か。それなら差をつけやすいな。
    年収ベースでツジツマを合わせることができそうだ。

 ( ^_^)でしょ。  
    わが社には、係数の掛け合わせによる総額配分方式が一番マッチして
    いると思います。

 (^◇^)どんな感じになるんだ。    

 ( ^_^)等級と評価係数で決まる総額配分方式は、こんな感じですね。

     係数設定
     配分計算

 (^◇^)ふ〜ん、評価係数が0.7〜1.3ということは、できる社員とできない社
    員では賞与に約2倍の開きがでるということだな。
    
     S:1.3
     A:1.1
     B:1.0
     C:0.9
     D:0.7
         
 ( ^_^)はい、同じ等級の社員同士ならばそうなりますね。

 (^◇^)でも、できない社員の残業がすごく多かったりすると、もっと差がつ
    く仕組みが必要だと思う。
         
 ( ^_^)そんなのは評価係数の開きを大きくするだけで済みますよ。
    総額配分方式では、評価係数のかわりに積み上げの評価ポイントを組
    み込むこともありますが、後々簡単に変更できる係数のほうが楽です。

     S:1.5
     A:1.2
     B:1.0
     C:0.8
     D:0.5

 (^◇^)ほう、これだと3倍の開きになるな。

 ( ^_^)係数は、極端な差をつけることも可能なんです。

 (^◇^)でも、SとAに0.3も開きがあると、その間も欲しくなりそうだな。

 ( ^_^)それなら評価制度の設計で「合計の評価段階」をもっと多めに設定し
    たらいかがですか。たとえば7段階にすると、こんな感じになります。

     S:1.5
     A:1.3
     B:1.1
     C:1.0
     D:0.9
     E:0.7
     F:0.5

 (^◇^)いいねっ。
         
 ( ^_^)でもーーー、それだけでは・・・。

 (^◇^)賞与だけでは問題解決できねえってことか?

 ( ^_^)仕事の配分方法を変えたり、残業を減らす施策が必要ですね。
    
 (^◇^)そうだな。そういう改善ができれば人件費も安く済むし。

 ( ^_^)[シチョーはそればっかりだな]
    たまには給与水準の引き上げも検討しましょうよ。

 ====================================================================
 本日の技:表ワザ
   星数:★★☆☆(有効)

 ====================================================================


┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃全員SかAの評価って・・・
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

 最初に申し上げておきますが、今回の内容は、胸を張って推奨するものでは
 ありません。1つの問題提起として読んでいただければ幸いです。

 (^◇^)オレの入ってる経営者の会があるだろ。
         
 ( ^_^)あのイカガワシイ○○会ですね。

 (^◇^)そうじゃねえ!
    純粋な勉強会の△△会のほうだ。
         
 ( ^_^)[いつも飲み会のくせに]
    ほー、△△会で何かあったのですか?

 (^◇^)そこのメンバーの「ある会社」ではな、人事制度は整備してねーんだ
    けど人事評価のマネ事はやってるらしい。
         
 ( ^_^)エライじゃないですか。
    わが社なんて、今の人事制度を導入するまではなーーーんにもやって
    なかったですもん。

 (^◇^)オレは中途半端が嫌いなんだよ。
    それでな、「ある会社」ではほとんどの社員がS評価やA評価だから
    賞与や昇給にあまり差がつかねーんだ。それでいいのか?
         
 ( ^_^)別にかまわないでしょ。
    みんなが良い評価なら、あえて差をつける必要もないし。

    ※絶対評価の場合、評価基準が甘いかもしれないという疑問は残りま
     す。実務では、相対配分という考え方をとることが多いです。
    【参考】評価結果の調整

 (^◇^)でもさっ、「ある会社」でも遅ればせながら人事制度を導入すること
    にしたらしい。そしたら、良い評価ばかりじゃあ賞与や昇給が多くな
    って困るんじゃねーの?
         
 ( ^_^)[お金のことしか頭にないんだから]
    今までだって問題なかったんだから大丈夫でしょう。

 (^◇^)賞与や昇給は算出根拠を公表してなかったし、シャチョーの鉛筆ひと
    舐めで決まってたから、キミはA評価の昇給だと言えば済んだろう。
    でも、制度化しちゃったら、そうもいかねーだろ。

 ( ^_^)大丈夫ですよ。

 (^◇^)[自信タップリだな]
    全員がA評価やS評価でもか?

 ( ^_^)はい、まず賞与から検証してみましょう。
    シャチョーは今、どんな賞与の決め方を思い浮かべていますか?

 (^◇^)Sは何ヶ月支給、Aは何ヶ月支給、のように評価によって支給月数に
    差がつく方法だ。良い評価ばかりだと支給額が増えちまうぞ。

 ( ^_^)そんなときは標準評価のときの支給月数を下げればいいでしょ。

 (^◇^)それもそうだ。
    でも、そのやり方だと全体の支給額が下がったとき直ぐわかっちゃう
    からオレ的にはいやだな。

 ( ^_^)なら、総額配分方式を組み込みましょう。
    予算どうりに配分する方法なので、A評価やS評価がいくら多くても
    かまいません。

    【参考】配分計算

 (^◇^)おう、これはイイな。
    賞与は大丈夫なのがわかったが、昇給はどうなんだ?

 ( ^_^)段階号俸表で検証してみましょう。
    5段階評価(SABCD)で、B評価の昇号数を5としますね。
    ----------------------
     S A B C D
    ----------------------
     7 6 5 4 3
    ----------------------

 (^◇^)良い評価ばかりだと、昇号数が多くなるから、その分だけ支給額が増
    えちまうぞ。

 ( ^_^)それくらいはヘッチャラです。
    その理由は2つあるんですけどね。

 (^◇^)ほう、強気だな。

 ( ^_^)まず1つ目ですが、賃金表で管理することは「昇給」と「ベースアッ
    プ」を分けて考えることを意味します。いままで昇給と呼んでいたも
    のにはベースアップ分も含まれていましたからね。
    昇給が多くなったら、その分ベースアップ予算を削ればいいのです。

 (^◇^)なるほど。
    でも、ベースアップしない年はヘリクツになってしまうな。

 ( ^_^)2つ目は、昇格するときに大幅に上がる昇格昇給額を設定すれば、毎
    年の昇給は以前よりもずっと少なくなるのです。
    シャチョーはそういうのお好きでしょ?

    【参考】等級制度の新賃金移行の考え方(後半部分)

 (^◇^)大好きだよー!
    毎年の昇給が少なけりゃ、良い評価の社員が多くてもヘッチャラだな。

    ※昇格したとき、昇格昇給額を全額上乗せする方法ではなくて、原則
     として初号に格づける場合に有効です。
     実際に設計してみればわかりますヨ。

 ( ^_^)最後に、注意しなければいけないことは昇格基準です。
    複数年の「昇給評価」を基準とする企業では、すぐに昇格基準を満た
    してしまいます。

 (^◇^)てぇことは、昇格基準を実態に合わせねーとな。
    めんどくせーぞ!

 ====================================================================
 本日の技:表ワザ
   星数:★☆☆☆(効果)

 ====================================================================

 さて、上記ですが、じんじ屋エールの裏ワザを使うとB評価の昇号数はいく
 つに定めても良いのですよー。平均をA評価とすれば、こんな形でも。
    ----------------------
     S A B C D
    ----------------------
     6 5 4 3 2
    ----------------------

 【根拠】等級別2を活用する裏ワザ



ナビゲーション

バナースペース